オズ はじまりの戦い2013/03/12 08:53

 およそ半年ぶりに見た映画である。半年ほど前、「最強の二人」を見そびれて以来なかなか見たいと思う映画がなく、何となく映画館から遠ざかっていた。

 正直な所、特に見たいと思ったわけではないのだが、最近精神的に不調が続いていたので、まあリハビリというかなんというか、そんな思いもあったし、妻は見たいと言ってきたし、そんな訳で久しぶりの映画鑑賞となった。

 上記の通り、ここの所精神的にあまり調子が良くなかったので、気軽に見られる映画というつもりで見に行ったのだが、その意味ではあまり私にあった映画ではなかった。というのも、主人公「オズ」の軽い、いい加減な性格が私は苦手で、その性格に起因してストーリーが展開していくのがちょっとストレスになってしまった。

 まあそれはこの映画のせいというわけではない。そもそも私は何を隠そう「オズの魔法使い」というお話そのものを知らない。それで見に行ったのだから、それは私のせいと言われても仕方あるまい。

 オズの世界の映像はカラフルかつ自然で美しかった。ただ、私は3Dバージョンを見たのだが、3Dの効果を十分に生かしていたかというと、それは必ずしもそうとはいえないと思う。メガネをかける煩わしさと300円のコストアップを考えると2Dバージョンの方がいいような気もする。

 3人の魔女は、宣伝によると「美しすぎる魔女」という事になっているが、それはちょっと・・・って、まあこれは好みの問題だから多くを語るまい。

 字幕スーパー版を見たのだが、少しづつ聞き取れるセリフも増えてきていて、その意味では有意義だった。特に面白いと思ったのは「take five」というセリフである。字幕は「休憩しよう」だったか、「ちょっと待て」だったか忘れてしまったが、この表現がこうやって使われるほどポピュラーだったとは思わなかった。

 具体的なフレーズは思い出せないが、what節が目的語になっているセリフが多かったという印象も強かった。実のところ、この「what節」は私にとってクセモノで、リスニングの壁になっている表現の1つである。抽象的に事柄を表すのに便利な表現だと思うが、この映画の場合、セリフの内容自体は難しいものではないので、リスニングのトレーニングとしては良い材料になるかもしれない。

 まあ何はともあれ、私にはちょっときつい部分もあったが、基本的にはディズニー映画らしい、安心して見られる映画である。また、「オズの魔法使い」本編を予め予習した上で見ると更に楽しく見られるのではないかと思う。

アメイジング・スパイダーマン2012/10/21 15:28

 フランスからの帰りの飛行機の中で見た映画である。当然のことながら小さな画面の中で見たので、映像の迫力などは全く分からなかった。

 これまで映画化されていたシリーズとは全く違うストーリーということだが、実のところこれまでの作品を全く見たことがないので、前作と比べて・・・という部分は全くわからない。

 アメリカンコミックのヒーローはなんだか影があるというか、ちょっと暗いものを背負っているという印象がある。バットマンなどがその良い例なのだが、この映画のスパイダーマンは、影・・・と言ってもちょっと印象が違う。主人公が高校生ということもあるのかもしれないが、思春期の少年・少女の気持ちの中にある影という感じで、他のヒーローの、社会の暗部に根ざす影とは趣が違う。

 全体的にヒーローものというより青春ものと言った感じである。描かれているのは高校生の心の動きだし、ヒロインとの恋物語も甘酸っぱい青春時代のそれである。ひょんなことから特別な力を手に入れ、本来の目的を忘れてちょっと天狗になるというか、有頂天になるところも高校生らしい幼さがよく描かれている。

 面白いと思ったのは、スパーダーマンが何故あのようなコスチュームなのか、その理由が理路整然と、丁寧に説明されていることである。科学好きの高校生の視点で、いかにもそういった高校生が考えそうだと思わせる件は見事だと思った。

 思ったより暗くないというか、重くないストーリーなので、若いカップルが見ても違和感がない映画という感じがした。続編が出るのは前提という構成だったので、それは間違い無いと思うが、まあ私が続編を見に行くか・・・というと、ちょっと微妙だが・・・。ただ、映画館で見ると、飛行機の小さな画面とは違い、迫力ある映像だったかもしれない。まあ他の映画を見た時に予告編を映画館で見たような気もするのだが・・・?

ハンガーゲーム2012/09/30 18:27

 映画「ハンガーゲーム」を見てきた。まあ正直なところそれほどみたいと思っていたわけでもないのだが、ここの所映画を見ていないし、息子に聞いてみると「行く」というので、見ることにした。

 少数の富裕層が多くの貧民層を搾取・支配する未来の地球で、貧民層を従わせるために年に一度開かれるのが「ハンガーゲーム」。12の貧民地区から若い男女各2名、合計24人がランダムに選ばれ、人口の闘技場(と言うか森)で、最後の一人になるまで殺し合うという、どこかで聞いたことがあるようなストーリーの映画である。

 主人公は・・・って、まあそのへんは興味ある人は私の駄文などよりもっと良いソースから情報入手されることだろう。と言うわけで、見た感想はと言うことになるのだが、とにかく世界観が浅いというか、その世界を支配しているものに合理性を感じない設定だったのは何ともいただけなかった。

 74回(78回だったかも)目を迎える「ハンガーゲーム」。四半世紀の歴史を持つイベントだというのにそのルールや運営の軽さと言ったら無い。
 最初に参加者は各地区からくじでランダムに選ばれるが、それが戦闘能力のない子供で、ゲーム開始5秒で殺されてしまったら、見る側からするとゲームとしてつまらないだろう。実際くじで選ばれた主人公の妹が出場していたらそうなっていただろう(その妹の身代わりとして主人公は志願して出場するわけだが)。又、仮に無力の子供が無慈悲に殺されたりすると、今度は政府が押さえたい別の問題が出てくる。それが実際に物語中で起こるわけだが(ネタバレになってしまうのでこれ以上は書かないが)、78回もやっていてそんなことも分からないのか。ちょっと吹き出しそうになってしまった。

 又、主人公と他の出場者の距離が大きくなりすぎたとき、主催者が干渉して主人公をフィールド中央に戻すが、その過程で主人公はけがを負い、他の出場者に追い詰められてしまう。そんな不公平なことをしたら、誰が生き残るかを賭けている富裕層たちだって黙ってはいないだろう(出場者に賭けるシーンも出てきていた)。


 ・・・まあそんなことを言ったらきりがない。何しろ設定が軽いというか、底が浅い世界での話であった。

 それはともかく、では映像的にはどうだったのか?う~ん。特に目を見張るものはなかった。出場する若者たちの心の動きに関する描写は?それなりに主人公を取り巻く数人に関しては頑張って描こうとしている風には見えたが、世界観の浅さと相まって、結局説得力を持って迫ってくるものはなかった。正直なところ140分間の上映時間は冗長で、私は2回ほど時計を見てしまった。

 ひとつ印象に残ったのは参加者の呼ばれ方である。字幕では「プレーヤー」となっていたが、実際には「tribute」と呼ばれていた。これはえぐいというか何というか、最初聞いたときはちょっと衝撃を感じた。「平和への代償」と言った意味で使われていると思うが、「sacrifice」と直接言わない分かえって印象に残った。

プロメテウス-追記2012/08/29 08:48

 先の日曜日に見てきた映画「プロメテウス」について書き忘れたことをいくつか。

 私は3Dバージョンを見たのだが、その効果は・・・というと、私にはイマイチの様に思えた。3D版は2D版に比べ400円高いのだが、400円分のプラスアルファの効果はないと思う。というわけで、もしこれから見る人で、どちらを見たほうがいいかと迷っているとしたら、わたしとしてはメガネを掛けるという煩わしさがなく値段の安い2D版のほうをお勧めしたい。

 3Dの効果とは別に、冒頭の滝のシーン(恐らく太古の地球)は迫力ある素晴らしい映像だった。エンドロールから判断するに、ロケ地はアイスランドであろう。エンジニア(の先祖?)が立っていた場所に実際に立てるのかは分からないというか、恐らく通常では無理だと思うが、あの滝は実際にこの目で見てみたい。

 アイスランドって、確か国が経営破綻したというか自己破産したというか、とにかく経済的に苦しい国のはずである。地球温暖化の影響もあり、これまでより逆に行きやすくなっているのではないか?そうであれば経済状況を改善する手段の一つとして観光資源の開発というのも有効な手段ではないだろうか?自然環境の保全というトレード・オフの関係になりがちな課題は留意しなければならないと思うが、行けるものなら是非行ってみたいものである。

プロメテウス2012/08/26 19:12

 映画「プロメテウス」を見てきた。

 だいたい私が見たいと思う映画はSFかファンタジーものが多い。ただし、グロテスクなものは基本的に嫌いで、「エイリアン」とか、「プレデター」とか、「バイオ・ハザード」などは、私のストライクゾーンから大きく外れたジャンルである。また、「見よう」と思うきっかけは、ほとんどが予告編の印象である。

 この映画もその通りで、半年ほど前から映画館で流されていた予告編を見ていて、今回見た次第である。

 ・・・で、どうあったかというと、はっきり言って期待はずれであった。悪い映画だとか、面白くない映画とかいう前に、「私の見たいジャンルの映画ではなかった」というのが、正直な感想である。

 まあ、グロテスクなものもO.K、あるいは好きという人には大丈夫というか、お勧めかもしれないが、そうでない人にはちょっとおすすめしかねる内容であった。

 今にして思うと、日本語吹き替え版の声を演じた剛力彩芽のコメントをたまたまテレビで見てしまったのが敗因だったかもしれない。あのハツラツとしていてさわやかな印象が、この映画に対する正しいイメージを掴み損ねる原因となったような気がする。

 まあ彼女が悪いわけではないのだが・・・

 「見ない?」と妻に声をかけたのだが、彼女は珍しく「私はちょっと・・・」と断ってきた。彼女は結構正しく判断していたようである。