辺野古埋め立て承認取り消し2015/09/14 12:39

 沖縄県の翁長知事が、辺野古埋め立て承認の取消を表明した。

  http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150914-OYT1T50010.html?from=ytop_main1

知事としては、選挙で「辺野古移設反対」を公約に掲げて当選したのだから、当然というか、そうせざるを得ないという決断だったのかもしれない。

 沖縄で生まれ、18年間生活した者として、基地があることのデメリットは体感してきたし、いわゆる米軍基地とは無縁な本土の人たちよりは、沖縄の人々の気持ちが理解できるつもりである。しかし、今回の件は国内に頼りになる味方が少なすぎる戦いのように思える。

 普天間基地の辺野古移設は元々自民党政権時代に出てきた話だから、現政権がそれを取り下げることはほとんど考えられない。野党第一党の民主党は、「最低でも県外」と掲げ、政権を穫ったにもかかわらず、「勉強した結果、米軍基地の存在は抑止力となる事がわかった」と当時の総理が発言して辺野古移設にかじを切った。それを考えると今回「抵抗勢力」になることは出来ないだろう。社民党は当時連立政権の一員だったが、この件を理由に連立を離脱した。共産党とともに「ぶれていない」政党だといえると思う。しかし、両党合わせてもいかんせん数が少なすぎる。市民団体などの指示・支援は多くあると思うが、基本的にこの問題は「NIMBY」- Not In My Back Yard -だから、本当に責任ある態度が取れる団体があるとも到底思えない。

 そもそも辺野古移設は「普天間基地移設」の落とし所だったはずである。しかし、「最低でも県外」以降、辺野古移設自体がメインイシューになってしまい、別の落とし所が必要になってしまった。そんな気がする。

 それで落とし所があるなら良いが、なければどうなるかというと、本来のメインイシュー、つまり「普天間基地移設」が実現しなくなってしまう。それで日本政府や米軍が困るかというと、普天間基地はそのまま使用できるのだから、実は困らないのではないか。危険な基地が存在し続けるという事にはなるが、前進しないというだけで、彼らからすると後退するわけでもない。

 じゃあどうすればよいのか?私にも分からない。ただ、沖縄にとって最悪のシナリオは「普天間基地の恒久化」だと思う。そして、それを避けるということを第一にこの問題を考えていかなければならないのではないかと思う。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yuimaryu.asablo.jp/blog/2015/09/14/7792053/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。