イギリスのEU離脱2016/06/24 20:06

 国民投票の結果、イギリスはEUを離脱することになった。多くの人がそうだと思うが、私もこの結果には驚いた。

 朝家を出る時のニュースでは、選挙の時の出口調査のような精度は無い・・・という但し書き付きではあったが、残留派のほうが若干優勢という報道であった。このニュースを見た時「・・・だよね」と思いつつ、一抹の不安というか、疑問が胸をよぎった。ちょっと楽観的過ぎるのではないだろうか。

 午前中の会議を終え、午後の講演会会場に向かう途中、目についた蕎麦屋に入った。ちょうどお昼のニュースをテレビでやっていたが、そこでは「離脱派優勢」となっていた。えっと思いつつ、心の何処かで「やっぱり」という思いがあった。

 午後からの講演会は、14時45分までが一人目の講演者のプレゼンテーションで、15分の休憩を挟んで私のプレゼンというプログラムになっていた。一人目のプレゼンは予定通りの時間に終わり、PCをプロジェクターに接続したりと準備に取り掛かろうとしていると、会場のあちこちからざわめきが聞こえてきた。皆スマホを見ながら「イギリスが・・・」とか「EUは・・・」とか小声で囁き合っている。その様子で投票結果が正式に発表されたのだなと分かった。

 今後どうなるのか、何しろ初めてのケースなので誰にもわからないことだと思うが、一つ確かなのは、投票の結果国が2つに割れてしまったということだと思う。確かに離脱派の方が多いのかもしれないが、残留派との差は僅かである。仮にもう一度投票すると、結果は逆になっているかもしれない。それくらい僅かな差しかない。多数決で決めるというルールが予め示されていて、そのルール通りに事は運んでいるのだが、残留派にしてみれば「仕方ない」と諦めるというか、納得するにはあまりにも微々たる差で、しかも「Yes」か「No」かの選択だから、負けた側の主張は完全に破棄されることになる。残留派が諦めきれないと感じるのも無理は無い話だと思う。

 今回の話は遠いイギリスでの出来事だが、「住民投票」や「国民投票」というのは日本でも起こり得る話である。大体そういう事をやる時の議案というのは国論を二分するようなテーマと相場は決まっているし、大接戦の結果選挙後に禍根を残すというのは如何にも起こりそうな話である。今回の投票の結果、経済的に日本にどのような影響が出るのか、それを考えて対応することも重要な事だと思うが、「日本で国民投票を実施したら、その後どうするか」ということを考えることも大事で、そういった目で今後のイギリスの動向を見るというのも必要なことだと思った。