サンマリノ共和国2012/11/17 17:43


ティターノ
                     ティターノ山


 国際会議が開催されたイタリアの町リッチョーネから直線距離にして約30kmの所に世界で5番目に小さい国「サンマリノ共和国」がある。関税も安く、消費税も0%(このブログを書いている時点でのイタリアの消費税は23%)ということで、ショッピング天国としても知られているらしい。実際、会議期間中のオプショナルツアーに「サンマリノ共和国のショッピングモールでの買い物」という企画があったくらいである(私は会議の日程の都合で参加できなかった)。

 まあ買い物はともかく、世界最古の共和国(建国:301年)という事でもあるので、是非時間を見つけて行ってみたいと思っていた。

 ところが、ボローニャからリッチョーネまでのチャーターバスのガイドさん(イタリア在住11年の日本人女性)に行き方を聞いてみると

 「今はハイ・シーズンではないので、公共交通機関の便数が極端に少ない。イタリア語が出来ないのなら止めておいた方がよいと思う」

と言われてしまった。

 そう言われたらトライしないわけにはいかない。会議の日程は火曜日がオフの日だったのだが、もはや火曜日までも待てず、同じく会議のない月曜日の午後に行くことにした。

 先ずは常套手段。ホテルのフロントで、行き方を聞いてみた。すると「バスや電車は便数が少ない」とのこと。じゃあタクシーは?と聞くと、「それはかなりお金がかかる。時間はかかるかもしれないけど、一番安い方法は、バスでリミニまで行き、そこから別のバスに乗り換えてサンマリノ共和国まで行くこと。バスに乗ればリミニまでは20分くらい」と教えてくれた。

 行けさえすれば帰りはタクシーででも帰ってこれるだろう。そう考え、教えてもらったバス乗り場に向かった。

 隣町のリミニまでのチケットを2ユーロで購入。ダメ元で売り場のおばさんにバスが来る時間を尋ねるが、イタリア語しかしゃべってくれない。まあいいさ、とバス乗り場に向かうと、時刻表を発見。するとバスが来るのは3時間後。なるほど、そう言うことか。3時間もぼけっと突っ立っていてもしょうがない。すぐ近くにリッチョーネ駅があったので、暇つぶしに駅に向かった。

 時刻表を見ていると、なんと、リミニ行きの電車が30分後に来るではないか。そして、よく見ると電車は1時間に1.5~2本くらいの割合で走っている。何だ。電車の方がよっぽど早いではないか。2ユーロのバスチケットは無駄になるが、早速リミニまでの電車のチケットを購入。なんと値段は1ユーロ20セント。バスより安いではないか。しかも所要時間は7分。

 「The cheapest way to San Marino is take a bus to Rimini.」

と語っていたホテルの受付の、あの自信満々の態度は何だったのだろうか?まあ親切に教えてくれたし、損をしたのは2ユーロだけだし、まあそんなに目くじらを立てるようなことではないのだが・・・。

 電車でリミニに到着。駅前のロータリーに案内所を発見。そこでサンマリノ共和国への行き方を尋ねると、

 The bus will come in two minutes.

という。え?2分。で、次は?と聞くと、1時間後だという。まだ昼食も取っていなかったし、空腹でもあったので、1時間後のバスに乗ることにした。案内所ではチケットを購入。往復9ユーロのチケット(同じチケット2枚)を購入した。サンマリノまでの所要時間を訪ねると約50分だという。



                サンマリノ共和国行きのバス


 駅前の bar で昼食(パスタ)をとり、時間を見て教えてもらったバス停に向かう。すると観光バスのような立派なバスが時間通りにやってきた。購入した2枚のチケットの内の1枚を運転手に渡し、バスに乗り込んだ。ハイ・シーズンではないとはいえ、20人くらいは乗り込んだだろうか。

 見た目は観光バスっぽいが、実際は路線バスの役目、つまり市民の足としての役目も果たしているようで、結構多くの停留所に止まるし、いかにも地元の住民という感じの人々も結構乗り込んできた。

 途中5,6人の高校生らしき女の子が乗り込み、後ろの方の席に座った。学校帰りだろうか。賑やかに、しかしけっしてうるさいと思わせる感じではない様子でおしゃべりしていたが、そのうち歌を歌い出した。明るい曲だったが、今若者に流行のポップスの様な曲ではなく、周りの状況にとけ込むような歌声だった。「ああ、ヨーロッパだぁ」と感じ、ボイスレコーダーを持ってこなかったことを後悔した。


 
                  山頂へと続くケーブルカー


 しばらくすると道は上り坂になってきた。40分ほど乗ったところで止まったバス停からは、ケーブルカーが山頂まで伸びていた。このケーブルカーに乗って山頂に行くという手もありそうだが、山に登るにつれ、だんだん天気が悪くなってきた。小雨も降ってきたし、風も出てきた。ケーブルカーに乗っても景色は楽しめなさそうだし、そのままバスで終点まで向かうことにした。


・・・次回に続く。